100年後にも残したい風景がある。 NPOブナガヤヘリテージクラブ
NPOブナガヤ・ヘリテージ・クラブについてBHC会員登録BHCへのお問合せBHCホームに戻る

活動報告=フィールドワークレポート
 ・現地調査
 ・環境改善&放流活動
 ・養殖活動

ツアー・イベント報告
講習会
RDBカテゴリー
飼育と観察
当サイトについて
掲示板


ブナガヤ・ヘリテージ(株)公式サイト

沖縄本島ヤンバル(北部)地域。
リュウキュウメダカの新たな棲息地を求めて。

全国的にもメダカの棲息数の減少が報告される中、本土と比べてもともと平野部の少ない沖縄県(本島)で良好な状態で水辺環境が残されている地域は限られてくる。
12月といっても Tシャツ1枚で充分過ごせる沖縄。自然が多く残されている本島北部のヤンバルに在来のメダカの未確認の棲息地を求めた。

沖縄県都那覇市から高速を利用し車で2時間、本島北部の通称「山原(ヤンバル)」に到着した。
ヤンバルの山には本土のような「紅葉」は無いが、この季節独特の冬の森の色合いがある。
多くの貴重な野生動物が生息し、代表的なヤンバルクイナ、ノグチゲラなどもここに棲む。

ヤンバルの南に位置する大宜味村。
のどかな風景の続く自然の豊かな地域だが、農地の整備や道路建設などの事業は村の山間部にまで至る。
当社名に冠する“ ブナガヤ ”は沖縄では一般的に「キジムナー」の名で知られ、ガジュマルの古木に棲みつく木の精のヤンバル地方の呼び方だが、ここヤンバルにおいても特にこの村では地元のシンボリックな存在として有名。ある意味私の故郷でもあるわけだ。
「ああ、故郷に帰ってきたぞ」そんな感じかな。

農道の脇を流れる用水路と、小川。水深は深い所でも30cm程度で、水の状態も見た目には透明できれいだ。
民家も少し離れた距離にあり、またこの辺りでよくある、川の上流部にある畜舎からの排水の汚染も無く、メダカの発見も期待できそうな小川だ。
上からのぞくと “サッ” と小さな影が水草の中に逃げ込んだ。水温は18度前後だろうか、やや冷たいが生き物達は活発に行動している。



早速、網を入れて「影」の正体を調べる。影の逃げ込んだ水草をかき出すようにすくい上げてみると、メダカらしき小魚が何匹か入った。

正体は外来魚「グッピー」である。
1950年代に沖縄に持ち込まれたとされるグッピーは本島中南部の河川や下水などで旺盛に繁殖し、環境への適応力の強さで在来のメダカなどを駆逐し問題となっている。
その後何度か網を入れ確認した所、ターイユ(ギンブナ)やハゼ類を確認できた事はうれしかったが、やはりここではテラピアやグッピーといった外来種の方が主に確認された。

左の写真は1時間ほど離れた別の河川。
コンクリートの3面張りであまり生き物がいるような印象ではない。
しかし、ここで確認されたのは意外な外来種だった。

下の写真がそうだが、左が「パールダニオ」、右が「ゼブラダニオ」で、鑑賞魚としてペットショップで良く見かける。いずれも沖縄にはもともと棲息していない魚だ。


川面をしばらく観察していると魚影からして数百以上棲みついている。ここに適応し、繁殖もしているようだ。
なぜ、こんなヤンバルの川にゼブラダニオがいるのだろうか。明らかに人の手によって放されたのだろうがこの種は繁殖力も強く、グッピーやテラピアと同様に自然の生態系にとってそうとうな脅威であることには間違いない。

夕方まで周辺の水域をくまなく調べてみたが、結局この日の調査で新しいメダカの棲息池は見つからなかった。
自然が多く残るヤンバルでメダカとの出会いを期待していただけに残念ではあるが、イーブ(ハゼ類)やターイユ(ギンブナ)などの沖縄の小川の仲間たちに出会えたことで私としては満足。
しかし、その一方で予想以上に多種の外来種がこのヤンバルにも進入している現状がわかった。このままこの現状を放置した場合いずれ繁殖力・適応力の強い外来種の方が水域を支配してしまうかもしれない状況だ。
イーブやターイユ達が安心して暮らせるヤンバルの川をいつまでも守りつづける必要がある。



NPOブナガヤ・ヘリテージ・クラブ  
沖縄県沖縄市大里1-9-30  

COPYRIGHT BUNAGAYA HERITAGE CLUB ALL RIGHT RESERVED